RECOMMEND

今回の裁判の背景や部落問題を知る上で、おすすめの書籍やWeb記事などを紹介しています。


ある精肉店のはなし

(監督:纐纈あや・製作:やしほ映画社、ポレポレタイムス社)

 

大阪の下町に根ざした102年の歴史に幕を下ろすことになった「ある精肉店」の営みと、そこに暮らす家族の姿をうつしたドキュメンタリー映画です。

部落差別と屠畜との関係はなんとなく知っていても、実際の屠畜の光景やそれに携わる人たちの思いには触れたことがないという人、結構多いのではないかと思います。もっと知りたいと思いつつ、難しい本は遠慮したいという人も。そんな皆様に、おすすめの1本です。

冒頭からいきなり、手作業でのあざやかな解体の様子に引き込まれます。精肉店を営む家族の幼少期からの記憶と思いを丁寧に追うインタビューは、仕事への誇りと、差別の歴史と実態を伝えてくれます。個人的には、牛を見守る一家の視線が印象に残り、「命をいただくこと」との向き合い方を考えさせられました。

部落差別だけでなく、世の中の差別問題には、実際にそこに足を運び、生活に寄り添わなければ見えないことがたくさんあると思います。見えないこと・知らないこと・出会っていないことは、更に差別を広げ、根深くさせる一因にもなりえます。ぜひ、この映画を通して、精肉店を取り巻く地域の風景に歴史の息遣いを感じ、日常を生きる一家に出会ってみてください。

                                       (銀色はりねずみ)



日本の歴史をよみなおす(全)(網野善彦著・ちくま学芸文庫)

 

学校の歴史の授業はいまいち好きになれなかった、という人にこそ、おすすめの1冊です。

主に中世の日本に焦点をあてて、「穢れ」や「畏怖と賤視」の概念がどのように変容していったのか、宗教が差別とどう向き合おうとしていたのか、女性の社会的地位はどうだったのか、など、教科書では読めない話題が語られています。絵図の掲載も多く、話言葉で書かれているので読みやすいです。今までとは異なった視点から、歴史を考えるきっかけとして、手に取ってみてください。
ちなみにこの本は「日本の歴史をよみなおす」(1991年)と「続・日本の歴史をよみなおす」(1996年)が、まとめて文庫になったものです。

                                       (銀色はりねずみ)



部落問題と向き合う若者たち(内田龍史編著・解放出版社)

 

 『部落問題と向き合う若者たち』は、部落の若者や、部落出身者と結婚した若者へのインタビュー集です。

 この本のよいところは、淡々としているところかもしれません。

 筆者による解説や解釈がなく、若者の語りがそのまま載せられているので、インタビューを読んでどう感じたかは、読み手に投げられます。筆者が「こう読め」「こんなふうに感じろ」という押し付けは一切ありません。

 しばしば、「自分のまわりには部落の人はいない」「知り合いにはいない」(でも、ほんとうにいないのかな、ということはさておいて)という言葉を聞きます。部落問題について関心がないわけじゃないけど、出身者の顔がみえないから、どうイメージしていいかわからない、という声も聞きます。まさに、そういう人に、読んでもらうとよいと思います。(つづきはこちらから)

 



「同和利権の真相」の深層(宮崎学他著・解放出版社)

 

解放同盟=「同和利権」を叫び、差別の自己責任論を主張する人に一撃の本。角岡伸彦、斎藤貴男、宮崎学、森達也などが書いた『「同和利権の真相」の深層』。秋山良さんの八鹿高校事件は必読!部落生徒・親の立場からみた涙と怒りの真実。「事実と真実は違う!」ことが分かる本。

                                          (つばめ次郎)



近代の奈落(宮崎学著・幻冬舎アウトロー文庫)

この本が大好き!「部落問題を考えることは日本の近代を考えること」「部落解放運動を考えることは、日本の社会運動を考えること」と言い切る。羽音豊。松本治一郎、西光万吉、朝田善之助など、解放運動の先駆者たちの等身大を突きつける!宮崎学さんの渾身の一冊!

「部落差別は観念ではなく、部落の劣悪な生活実態の反映であり、その生活実態を放置しているのは行政の差別であって、改善するのは行政の責任である」ということを認めさせたのが、1951年の京都・オールロマンス事件。ここらら個人への糾弾から社会問題として解放運動が発展していく。 by朝田善之助(つづきはこちらから