部落地名総鑑事件


 興信所・探偵社の関係者らが、全国の部落の地名・所在地・戸数・主な職業などを記載し た『部落地名総鑑』を作成し、販売していたことが 1975 年に発覚した。多数の企業、そして大学など 220 を超える購入が判明した。

 

この事件によって、購入者はその社会的責任を問われ、いくつかの府県では、興信所・探偵社による部落差別調査を規制する条例を制定し、また、一定の人数を超える従業員を抱える事業所は、労働省の行政指導によって、企業内同和問題研修推進員を設置した(その後、 公正採用選考人権啓発推進員制度となる)。

 

鳥取ループ・示現社による「アウティング」は、これまで築かれてきた取組を、くつがえそうとするものだ。鳥取ループがネットにアップしたり、販売しようとした部落地名リストは、こうした日本の文脈の中で、部落地名総鑑事件と同様、差別・排除につながる蓋然性(それが起こる確実性)が高い。         

                                      (つばめーおばさん)