近代の奈落 (宮崎学著・幻冬舎アウトロー文庫)
宮崎学『近代の奈落』、この本が大好き!「部落問題を考えることは日本の近代を考えること」「部落解放運動を考えることは、日本の社会運動を考えること」と言い切る。羽音豊。松本治一郎、西光万吉、朝田善之助など、解放運動の先駆者たちの等身大を突きつける!宮崎学さんの渾身の一冊!
「部落差別は観念ではなく、部落の劣悪な生活実態の反映であり、その生活実態を放置しているのは行政の差別であって、改善するのは行政の責任である」ということを認めさせたのが、1951年の京都・オールロマンス事件。ここらら個人への糾弾から社会問題として解放運動が発展していく。 by朝田善之助
「ヤクザの若い衆にならざえるえなかったモンも、部落民として切実な要求をもっとるんや。それをつかんで解放運動の方向にもっていけない解放運動の指導なんて、なんやねん」「人間を変えるのが運動や。物をとるだけで人間を変えられんのは運動やない」By京都市・解放同盟東三条支部の初代支部長
「大阪の部落解放運動の原点とは、イデオロギーでなく、猥雑なこの待ちで「生きる」ということであったのだ。逆に言えば、運動なしには生活が切り開けないから、運動があったのである。そして、それにはどう生きるかちおう「生き方」がつながっていた」by 大阪・松田喜一
「私には一切の差別のない無差別社会なんて想像できない。ありえないとすら思う」「それよりも、いま・ここにある具体的な差別に対して具体的に闘う。部落解放運動の出発点はそこしなかいと思う。帰着点もそこにしかない。だから永続的な運動なのである」
「差別と闘う運動は、差別される者の人生問題」「部落問題は部落民にとっての人生問題だ」「その運動のなかで差別と闘うことによって部落民が自己形成していくこと、また、それによって差別者を変えていくこと、これが展望にほかならなない」by 宮崎学
(つばめ次郎)