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部落差別の解決方法として「そっとしておけば自然になくなる」という意見を耳にすることがあります。「寝ている子をわざわざ起こして泣かせることはない」ということわざから、「寝た子を起こすな」論と呼ばれています。
もし、この考えが正しいのであれば、部落問題の解決方法は「部落のことを教えない、考えない、意識しない」ということになります。しかし、この「寝た子を起こすな」という考え方には「部落差別が存在している」という前提があります。部落差別がないのであれば、「そっとしておく・意識しないでおく」必要はないからです。
現存している問題を放置し、「教えない・知らせない」ことは、簡単に言えば「事実を隠す」ということです。「事実を隠す」ことが「差別をなくす」方法であるとは何ともおかしな論理ではないでしょうか?現実を直視しないことで問題を「ない」ことにしてしまうという考え方は明らかに間違っています。
(てんたろん)